近年、軽自動車の新車販売ランキングといえばスーパーハイトワゴンが常に上位をキープしています。軽自動車という制約されたボディサイズでありながらも、広々した室内空間で子育て世代やファミリー層の需要にフィットします。
スライドドアの高い利便性は、小さな子供など運転手が乗り降りでサポートするときに優先度が高く、車好きといえど生活環境で車の剛性云々だけでなく、家族の声を聞いてスライドドアを避けて通れない状況が生じてしまいます。
筆者も街乗りで扱いやすい車が欲しいと家族からクレーム要望があったので、各メーカーの主力モデルであるN-BOX、スペーシア、ルークスを乗り比べました。
N-BOX、ルークス、スペーシアを比較
試乗グレードはN-BOXとルークスが上位シリーズで、スペーシアはベースグレードです。ルークスのみNAとターボの2種類を乗ってみました。
車種 | 試乗グレード |
---|---|
N-BOX | カスタムG・L ホンダセンシング |
ルークス | ハイウェイスターX、 ハイウェイスターGターボ |
スペーシア | HYBRID X |
外観
N-BOXは、個人的に現行より先代の角ばったフロントデザインの方が好みです。スペーシアは後方部の丸みとインパクトのあるフロントのデザインのバランスがよく出来ています。ルークスはグリル部の開口が標準モデルより大きめだが万人受けのデザインです。
王者N-BOXのシーケンシャルウィンカーは、フロントマスクの車格を格段に高く印象付けます。
ルークスハイウェイスターシリーズは万人受けしそうなデザインです。グリルの開口部は広めでもフォルムに角々しさが無いデザインです。
スペーシアはカラーリングで印象がかなり変化します、モノトーンはシンプルで飽きにくいデザインで、ツートンにするとかなりカジュアルになります。
内装
N-BOXとルークスは上位グレードで質感が高いです。
N-BOXの助席エアコンは、ホンダのヴェゼルと同じように横に長く配置です。
ルークスはグレード(アーバンクロム)設定で防水シートがあります。
ルークスとスペーシアは後方へ空気を循環させるサーキュレータがオプションで選択可能です(スペーシアはグレード別)。ルークスの場合、快適パックA(3,3000円)というオプションでプラズマクラスター付きリヤシーリングファンに加えパーソナルテーブル、ロールシェード、USBソケットなど付帯されるので割安感があります。
残念ながらサーキュレータはN-BOXは純正オプションでも設定無しです。
主な快適装備の一覧を示します。
N-BOX | ルークス | スペーシア | |
---|---|---|---|
USBポート | フロント:2口 リア:1口 (オプション) | フロント:1口 (※要純正ナビ) リア:1口 (オプション) | フロント:2口 (グレード別) リア:無し (アクセサリ:1) |
後席テーブル | ○ | オプション | ○ (グレード別) |
ロールシェード | ○ | オプション | ○ (グレード別) |
サーキュレータ | × | オプション | ○ (グレード別) |
車内の静粛性はルークス、N-BOXは同程度で普通車並みに優れており、スペーシアは走行中の風切り音やノイズを拾ってしまう結果でした。
走行性能
NAで非力感なく走れるのはN-BOXのみです。スペーシアは車重が最軽なので走りが良いかもと期待しましたがNAの出来ならN-BOXです。
ターボであればルークス、スペーシアも軽快に走ります。
N-BOX | ルークス | スペーシア | |
---|---|---|---|
重量(kg) | NA:910 ターボ:930 | NA:950 ターボ:1000 | NA:870 ターボ:900(※) |
全高(mm) | 1790 | 1780 | 1785 |
ルークスはNAとターボで車重の差が大きくなっていますが、プロパイロットモデルの有無で20kg差(片側電動スライドと両側電動)が含まれるからです。
スペーシアのターボはカスタム限定なので参考値です。
まとめ
N-BOXならNAで十分走ります。平地ならスペーシアやルークスのNAも走りますが、軽快さを求めるなら、スペーシアとルークスはターボがおすすめです。ハイブリッド(モーターアシスト)の恩恵は、もう少しコンパクトなワゴンRやデイズなどのハイトワゴンでちょうど良く、これらならNAがベストバイと感じます。
車内空間の静粛性はN-BOX、ルークスが乗用車良く、スペーシアは昔からの軽という平凡的な印象でした。しかし、スペーシアの価格設定は他社を圧倒しています。コストと静粛性のどちらを天秤にするかはユーザーの選択に委ねられます。